Creatinine ClearanceとGlomerular Filtration Rateの違い

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Cockcroft-Gaultの式はCreatinine Clearance(以下、Ccr)が算出されますが、日本人のための推算式は糸球体濾過量=Glomerular Filtration Rate(以下、GFR)が算出されます。

じゃ、その違いは・・・

これをまとめます。


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腎機能はGFRが指標

まず、前提として腎機能を評価する指標はGFRです。GFRはinulinによる測定がGold Standardですが、当時はInulinを使ったGFRの測定はできなかったため、Ccrが使用されていました1)

海外では放射性物質を使ったGFRの測定法が汎用されていますが、日本ではRIの管理、廃棄の観点からあまり使用されることは少なくなっています2)

日本ではGFRが測定できないため、蓄尿・採血で実現可能なCcrの直接測定を行っていたということでしょう。

つまり、CCrはGFRの代替指標ってことですね。

GFRの測定に使う指標の条件

GFRは直接測ることはできないため、本当のGFRを知ることはできません。そのため、GFRは理想的な外因性物質のクリアランスを用いて測定されます3)

ですが、どのような物質でも測定に使えるかというとそうではありません。GFR測定のための理想的な物質があり、その条件は腎臓によって排泄され、タンパク質と結合せず、尿細管で分泌または再吸収されない必要があります3)

これらの条件に理想とされる物質がinulin。それに対してCleatinineは様々な影響因子があり、問題点が多いとされています。

GFRとCcrの違いは?

GFRとCcrの違いは何でしょうか。それにはCreatinineの体内における動きを知ることが重要です。

Creatinineは主に糸球体濾過で排出されますが、その他に消化管からの排泄と尿細管分泌がある事が知られており3)、トランスポーター OCT2 → MATE1で排出されます4)。ですので、GFRに比べてCCrは高くなる傾向がありますし、これらのトランスポーターに影響を与える薬剤ではクレアチニンの排泄に影響を与えます。 

じゃ、クレアチニンが尿細管分泌されるのを止めたら、どうなるでしょうか?

この疑問に対してシメチジンを使った研究が行われています。シメチジンは尿細管分泌を阻害することが知られています。シメチジンを服用しつつCCrを測定するとイヌリンクリアランス(以下、「CIn」と記載します)の値に近くなるといった報告5)があります。この結果が「CCr/CIn≒1」になります。まぁほぼ、CCr=GFRってことですよね。ちなみに、ループス腎炎においても同様の報告があります6)

これを考えると、GFRとCcrの違いの大きな要因は尿細管分泌ではないか・・・ という仮説が成り立つと思います。このためか、GFRとCcrの差は尿細管分泌の影響の体で記載される事があります。

まぁ、シメチジンが尿細管分泌以外のところに作用していたら話は変わるのですが・・・

CCrとGFRとの差は?

この話をする前に、まず前提として・・・

先程、記載した通り、現状GFRを直接測定する方法はありません。そこで、最も理想的な測定マーカーと言われるイヌリンを使ったイヌリンクリアランスを使ったデータをGFRとして考えていきます。今回はイヌリンクリアランスをCInと表記していきます。

CInとCcrの差を示した報告はいくつかあります。

1985年の海外の報告7)で、 Cinに比べてCCrは高めに算出されることが示されています。また、CIn>80、80≧CIn≧40、40>CInの3つのカテゴリーに分けて、CInとCcrを比較しています。ここではCInとCcrの差がCIn>80と40>CInのでは有意差がなく、CIn>80・40>CInと80≧CIn≧40を比較すると有意差をもって高い事が示されています。CInとCcrの差を尿細管分泌による影響と考えると腎機能が低くなるにつれてCcrのうちの尿細管分泌の割合は多くなることが示されています。

日本における報告1・4・8)では、縦軸にCcr/CIn・横軸CInとした場合にはCInが低値になると、Ccr/CInが高くなり、ばらつきが大きくなることが示されており、上記と同様

と言えると思います。肝硬変での報告9)もあります。

データの出し方は回帰曲線とデータが記載がある研究9)、回帰直線とデータの記載がある研究4・8)、データなる点が記載がある研究1)など示し方はいろいろとありますが、いずれも縦軸にCCr/CIn・横軸CInとした場合にCInが低値になると、Ccr/CInが高くなり、ばらつきが大きくなる事が示されています。

これらより、腎機能が低くなるとCcr/CInが上昇すること=「GFR以外で代謝されるCreatinineの量はGFR低下と同様には低下するとは限らない」ことがわかりますし、いくつかの報告でそのような結果となっているので、まぁ間違えはないでしょう。

ただ、これを縦軸にCcr・横軸CInとした場合には、ともにCCr=CInのとした直線よりも少しCCrが高くなるように見えますが、それは一定数高く見えるように感じます。この差はCInの変化に応じてそれほど大きく変化しているようには見えません。

この時にはCInが低値の時の方が、絶対値を見るとCCr・CInの差が小さく見えます。

ですので、Ccr/CInのように「比率」で算出されると、CInが低値なほど大きな差があると感じますが、実際に使う分にはそれほど考えなくてもよいのかもしれません。

要は数字の見せ方でしょうか?

他の報告ではCcrをGFRに変換する係数がある

日本人の研究報告において、CCrをGFRへ変換する係数が存在します。この報告は日本人による、腎機能推算式を作成した際に作成されました10)

係数ですので、Ccr/CInが一定値であることが前提になるとは思いますが、他の報告を見てみると腎機能の状態によって異なることが示されています。一つの参考値にはなるとは思いますが、注意が必要なのかもしれませんね。

参考文献

1)折 田 義 正 ら. イヌリンクリアランスを用いた糸球体濾過量の評価―クレアチニンクリアランスとの比較― 日腎会誌 2005;47 (7 ): 804-812

2)矢内 充. GFR測定法と推定GFR モダンメディア 2013; 59 ( 6 ) :155-160

3)Inker LA, Titan S. Measurement and Estimation of GFR for Use in Clinical Practice: Core Curriculum 2021. Am J Kidney Dis. 2021 Nov;78(5):736-749.

4)家入 一郎. 薬物動態学―臨床薬理に必要な薬物動態の統合的把握― 臨床薬理 Jpn J Clin Pharmacol Ther 2016; 47(2): 5

5)Hilbrands LB, Artz MA, Wetzels JF, Koene RA. Cimetidine improves the reliability of creatinine as a marker of glomerular filtration. Kidney Int. 1991 Dec;40(6):1171-6.

6)Roubenoff R, Drew H, Moyer M, Petri M, Whiting-O’Keefe Q, Hellmann DB. Oral cimetidine improves the accuracy and precision of creatinine clearance in lupus nephritis. Ann Intern Med. 1990 Oct 1;113(7):501-6. 

7)Shemesh O, Golbetz H, Kriss JP, Myers BD. Limitations of creatinine as a filtration marker in glomerulopathic patients. Kidney Int. 1985 Nov;28(5):830-8.

8)Nakata J, Ohsawa I, Onda K, Tanimoto M, Kusaba G, Takeda Y, Kobayashi N, Asanuma K, Tanaka Y, Sato M, Inami Y, Suzuki H, Suzuki H, Masuda A, Nonaka K, Sasaki Y, Hisada A, Hamada C, Horikoshi S, Tomino Y. Risk of overestimation of kidney function using GFR-estimating equations in patients with low inulin clearance. J Clin Lab Anal. 2012 Jul;26(4):248-53. 

9)Proulx NL, Akbari A, Garg AX, Rostom A, Jaffey J, Clark HD. Measured creatinine clearance from timed urine collections substantially overestimates glomerular filtration rate in patients with liver cirrhosis: a systematic review and individual patient meta-analysis. Nephrol Dial Transplant. 2005 Aug;20(8):1617-22. 

10)Matsuo S, Imai E, Horio M, Yasuda Y, Tomita K, Nitta K, Yamagata K, Tomino Y, Yokoyama H, Hishida A; Collaborators developing the Japanese equation for estimated GFR. Revised equations for estimated GFR from serum creatinine in Japan. Am J Kidney Dis. 2009 Jun;53(6):982-92. 

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