
眠気覚ましに1杯を飲んで、頭をスッキリさせてから仕事/勉強をして・・・
ついつい飲んでしまうのがコーヒー。紅茶の方もいらっしゃるとは思いますが、どちらも美味しいですね。カロリーがないので、ついつい手が伸びてしまいします。日本人だと、ウーロン茶や緑茶を飲まれる方も多いかと・・・
カフェインは身近にありますが、良い効果をもたらす事もありますが、悪い効果をもたらすこともあります。その中で認知症にも効果がある(かも?)ってことを知っていますか?
カフェインの作用
カフェインの作用には多々あり、調べきれないくらいにあります。
主な作用としては、”覚醒作用”の印象があると思います。アデノシンA1の阻害作用があります。
その他の作用として、脳血管・血圧・呼吸機能・消化器・尿量など様々な効果を示します。低〜中用量のカフェイン(20〜200mg)では幸福感や覚醒度・社交性などをもたらすと報告されています1)。
運動機能に対する効果の報告もあります2)。運動機能の報告も様々で、運動の持久性の向上を示した報告など、様々な運動能力への効果を報告していますし、アスリートの注意力の正確性(accuracy of attention)、および反応速度で有効性がみられているという報告もあります。
これらの他にも、認知症の発症リスクの低下にも影響があるという報告3−6)もあります。
認知症の効果について考えてみよう
認知症に対するリスクの低下や認知症機能低下の抑制に関する報告は多々あり、それらをまとめた報告3−6)もあります。
その中に様々な報告をまとめた論文があります4)。この報告ではカフェインの使用と認知機能・認証についてまとめた報告で、この報告ではポジティブな報告が、1/4程度。半分程度はその背景によりポジティブな影響があるとあり、内容としてはカフェイン摂取量、カフェイン源の種類、性別、年齢、カフェイン摂取期間(短期または長期効果)に依存する結果となっています。また、効果がないとした報告は19%程度ありました3)。
また、認知症の一歩前である軽度認知症障害(MCI)の方々の研究でも、ある程度の量のカフェインを摂取していた方の方が認知症発症のする方が少なかったという報告もあります。ただ、そのカフェインの量は血液の中のカフェインの量によって記載されており、服用量は人によって異なるはずですので「どの程度飲めばよい」といったことは言えません。
認知症に対するリスクの低下や認知症機能低下の抑制の可能性がありますが、半数程度はカフェインの摂取の背景によっての効果ともあり、すべてが解決しているというわけではありません。
服用量には注意が必要
カフェイン摂取量は重要です。
それは、認知症発症リスクの低下効果は少なすぎても多すぎても効果が低下する or ない可能性があります4)。 では、その量はというと・・・
論文内では、標準的な含有量(コーヒー150mlあたり71〜220mg、茶150mlあたり32〜42mg)に基づき、以下のように分類されています。
- 低用量(Low)摂取:
- 1日あたり 100 mg 未満。
- 目安:コーヒー1杯未満、または茶(tea)3杯未満。
- 中等量(Moderate)摂取:
- 1日あたり 100 〜 400 mg。
- 目安:コーヒー1 〜 4杯、または茶(tea)3 〜 10杯。
- 高用量(High)摂取:
- 1日あたり 400 mg 超。
- 目安:コーヒー4杯超、または茶(tea)10杯超。
ここでの論文では茶は”tea”で表現されているため、紅茶のことだと思います(違ったら教えてください)。
この用量のうち中等量においてpositiveな報告が多く、低用量・高用量のともにpositiveな方向が減少しています。
ここからは私見ですが、低用量であれば効果がないのは理解できますが、高用量で効果が低下するのは注意が必要。
通常、効果がある物質であれば、投与量が増えれば直接の作用であれば、それには何かの影響を考慮しなければならないと考えています。
ただし・・・
有効性を示した報告は多々あるものの、「効果があるという報告」と「効果がないという報告」とでは振れ幅が大きいという印象があります。性差・服用期間などまだわからない事も多く、まだ手放しに効果があるとは言えないようです。
カフェインの効果は遺伝が大きく関連し、効果が強く出やすい遺伝子や代謝に影響を与える遺伝子があります7)。他にも喫煙があるとカフェインは代謝されやすくなるため、効果が出にくくなりますし・・・
と影響因子が多いのも事実8)。
その影響を考慮する必要があるのかもしれません。
もともと睡眠状態にも影響がある
認知症は睡眠状態にも影響があります。高齢者では睡眠状況が悪いときや多すぎるときには認知機能への影響が報告9)されています。また、REM睡眠が認知症に影響があり、REM睡眠が1%低下するごとに、新規発症認証のリスクは約9%増加したとする報告9)があります。
このREM睡眠。カフェインはアデノシンA2Aの阻害作用を持っていますが、アデノシンと睡眠・REM睡眠とも関連していると考える必要があると思います9)。少なくとも私には・・・
睡眠時間に対しても覚醒作用があるカフェインに対して影響がないとは言えないはずです。
手放しにカフェインが認知症に有効としてよいかは疑問。もしかしたら、高用量でポジティブなデータが少なくなっているのは、この影響もあるのかもしれません。

参考
1)Juliano LM, Griffiths RR. A critical review of caffeine withdrawal: empirical validation of symptoms and signs, incidence, severity, and associated features. Psychopharmacology (Berl). 2004 Oct;176(1):1-29.
2)Lorenzo Calvo J, Fei X, Domínguez R, Pareja-Galeano H. Caffeine and Cognitive Functions in Sports: A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients. 2021 Mar 6;13(3):868.
3)Ashfaq Z, Younas Z, Nathaniel E, Rehman A, Siddiqi A, Rasool N, Amir M. Association Between Caffeine Intake and Alzheimer’s Disease Progression: A Systematic Review. Cureus. 2025 Mar 20;17(3):e80923
4)Chen JQA, Scheltens P, Groot C, Ossenkoppele R. Associations Between Caffeine Consumption, Cognitive Decline, and Dementia: A Systematic Review. J Alzheimers Dis. 2020;78(4):1519-1546.
5)Santos C, Costa J, Santos J, Vaz-Carneiro A, Lunet N. Caffeine intake and dementia: systematic review and meta-analysis. J Alzheimers Dis. 2010;20 Suppl 1:S187-204.
6)Panza F, Solfrizzi V, Barulli MR, Bonfiglio C, Guerra V, Osella A, Seripa D, Sabbà C, Pilotto A, Logroscino G. Coffee, tea, and caffeine consumption and prevention of late-life cognitive decline and dementia: a systematic review. J Nutr Health Aging. 2015 Mar;19(3):313-28.
7)Yang A, Palmer AA, de Wit H. Genetics of caffeine consumption and responses to caffeine. Psychopharmacology (Berl). 2010 Aug;211(3):245-57. doi: 10.1007/s00213-010-1900-1. Epub 2010 Jun 9.
8)Grzegorzewski J, Bartsch F, Köller A, König M. Pharmacokinetics of Caffeine: A Systematic Analysis of Reported Data for Application in Metabolic Phenotyping and Liver Function Testing. Front Pharmacol. 2022 Feb 25;12:752826.
9)Pase MP, Himali JJ, Grima NA, Beiser AS, Satizabal CL, Aparicio HJ, Thomas RJ, Gottlieb DJ, Auerbach SH, Seshadri S. Sleep architecture and the risk of incident dementia in the community. Neurology. 2017 Sep 19;89(12):1244-1250.
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